全体感想

 ということで行って来ましたMYSCON5。レポートじみた全体の流れとかはことこさんが書いてくれるはずなので、ここでは僕の雑感だけ書き垂らします。書き垂らすって言っても、どこぞで何度も繰り返し主張してる通り、死ぬほど面白かった、で終わりなんですけど、それじゃあ話にならないのでグダグダと短い文章書きます。

 持論を展開します。本に限らず、感想っていうのは漠然と抱くだけでは不完全で、文章に起こしたりして自分の言葉にして咀嚼して初めて確固たる「意見」になれるはずです。ここまでなら誰でも出来る話で、読了するたびに感想ノートかなんかに書きとめておけば十分なくらいですが、これでもまだ不完全だと思うのです。

 読書というのは、ただ読むだけではなく、読んだ感想を語り合うまでを含めての娯楽だと主張します。自分はこう思う、だけでは物足りない。他人がどう思ったか、他人も楽しかったと感じたか、それが全く自分と同意見ならば同士が得られて嬉しいし、なぜそこを楽しいと感じたのかを考えることもスムーズにできます。逆に自分と全く意見が分かれたならば、どこがどう食い違っていたのかを考えることができますし、その相手の見方を踏まえて再読してみるのもまた面白い試みになり得るでしょう。

 ですが、この活字離れの世代、果たして自分の身近に同好の士が何人見つかることでしょう。運良く見つけたとして、二桁には及ばないと思います。その滅多に見つからない同士が百人近く集まって、同じ屋根の下に一晩泊まり込んで徹底的に語り明かす。そんなイベントが楽しくないはずがありません。僕はMYSCONではもったいなくて一睡もできませんでしたし、たぶん本当に夜通しで喋り続けたと思います。憑かれたように、という表現がこれ以上ないくらいピッタリくる興奮状態でしたが、あれは日頃溜め込んでいた鬱憤を晴らしただけで、それだけ僕の中に不満が溜まっていた証拠です。

 もちろん、訪れてくれるゲストの作家先生の魅力や、劇や催し全てを含めてMYSCONの魅力だと思うのですが、根幹にあるのは絶対に「同士と語り合う」ところだと思うのです。だって、劇も楽しかったし先生の話も面白かったし催しも最高だったけど、やっぱり「MYSCONで何やってきたの?」と聞かれたら僕は「喋ってた」と答えたい。喋って喋って喋りまくった。それだけで最高だった。聞き手がいて、話していることを理解してくれて、それについての意見が聞けるって、これ以上の嬉しさが読書する人間にあるとは思えない。

 あんまり長くなっても下らないので要約して終わります。MYSCON、死ぬほど楽しかったです。おわり。