文は人の鏡だという。それは半ばの疑問符を含みながら、何割かの真実を含んでいるように思う。半ば冗談半分に半ば本気で、僕らは他人の書き記した言葉達から、その人と言葉の背景を探り吟味し、または嘲笑する。言葉とはそうした二律背反のもので、意味と同一に無意味さえ含んでいる。Folioという誌名は、ポート・フォリオという言葉が差し示すように、ちょっとした名刺的に差し出す、小さな紙の意でもある。それぞれの執筆者並びに協力者の文なり人となりを、楽しんで貰いたい。
編集主幹として、それぞれの文章世界から、その人なりの何かを引きだしたいと思っている。共に楽しんで頂けたら幸いである。
この雑誌は「特集」という記事と共に連載の形式を持つ。「特集」記事はなるべくビビッドな題材を選び、それに対してどのように執筆者がそれぞれの手腕をもって料理してくれるか、読者の人々と共に楽しみたいと思っている。そのため、執筆者を厳選し、少人数とした。それは今までに存在した、文章作品主体のWeb雑誌と、また、同様の雑文祭とも違う点だと自負している。執筆者の姿を楽しむのもよし、雑文祭の感覚で楽しむのもよし、逆に我こそはと思うものは参加していただきたい。
何かを発見できればそれに越したことはない。我々は提示する。
そういうことだ。
編集として、至らぬ点は数多い。今回はどのようにすれば良いのか五里霧中のなかで始まり、こちらこそ勉強させて貰った。次回は、更にその次はもっと視点がはっきりするだろう。乞うご期待、である。
最後にご協力していただいた執筆者の皆さま、閲覧してくれている皆様方に感謝の意を表明して、創刊の辞とさせていただきたい。
ありがとう。そして、よろしく。
編集主幹 サイキカツミ(030823)
|