●求めること≠求められること
- 奈緒
- 友達がね、彼氏にすごく冷たくされてて。でも友達のほうはまだ大好きでって状態だったときに、セックスしたけど、全然濡れなかったんだって。不安すぎて、濡れなかったって
- 絵美
- へー
- 奈緒
- 結局別れてたね。で、濡れてないのに挿入したから、ゴム破れちゃって、余計に泣いてたw
- 絵美
- ぎゃー!
- 奈緒
- 私も昔は求められてるーってのに弱かった。女としての自分に自信なかったから、「うわーこの人は私を女としてやろうとしてくださっている!」とw
- 絵美
- そうそう。このへんはディープなコンプレックスとかに触れずにはいられない。求めてくれるんだったらなんでもいいよ、とか思ってた。
- 奈緒
- そうそう! 私みたいなクソでもやってくださるんですかっ? と。女として求めてくださるんですかっ? とw
- 絵美
- 私は激しく非モテだった過去があって脱皮してモテがきちゃったから。貧乏性? っつうのかしら、食えるもんは食っとけ!みたいな
- 奈緒
- 「ここで拒んで嫌われてなるものか!!」
- 絵美
- 嫌われてなるものか、っつうか。セックスぐらいで束縛できるんだったらいいっすよ、安いもんっすよ、みたいな。で、大量にキープしてた。やっすい男を。
- 奈緒
- 私の男女交際は、最初の彼氏(で、処女喪失)が出会ってすぐにセックスしちゃって、それでもラブラブだったから、まずはじめにセックスありき、だったのね。
セックスさえしちゃえば、愛が得られる! と。
でもそこに自分の意志はなかったんだよ(笑)。まず向こうから好かれるのが大事。 - 絵美
- 私は「愛なんてものはない」と思ってたんだけど。相手にも自分にもね。
愛なんてもんはないんだけど、女として求められたいっつうのはあって、自分の身体なんて惜しくもなんともなかったんだよね。すっげー安いセックスしてた。
合コンで会って、そのまま彼の部屋いって、即ヤリ! みたいな。
「わたしに恋愛なんてできるわけない」って思ってたな。おこがましい! みたいな - 奈緒
- 私の場合、向こうに愛を求め、自分は後から好きになればいいと思ってた。尚且つ失恋を忘れて新しい恋したかったから、無理やり男を好きになろうとしてた。
処女のころは自分の女性性をずっと否定してたんだよね。自分から恋愛を排除してた、ずっと。そういうのは自分の役割じゃないと思って。
自分が女性であることが嫌で嫌で、男の子の前で女らしいことなんて、死んでもしないぞ! って。
でも大学入ったら、みんな処女じゃなくってさ、処女が私くらいでさ。私、超日本人だから、「みんなと違うのは、やばい!」って狂ったようにコンパとかクラブイベントとか行きまくったんだけど。
そのうち気付いたのが「どうやら私は男に平気で甘えられる女だ」(笑)。すげえショックでした - 絵美
- わはー
- 奈緒
- アイデンティティクライシス。
- 絵美
- 私は好きになろうとはしなかったな。私も好きな人がずーっといたけど「私が好きな人」と「私を好きな人」は別物なものだって思ってたな。
で、身体は別に「私を好きな人」にあげてもいいやー。そのへんが、なんていうか少女漫画的幻想というか。プラトニックな「好き」とセックスが絡む「好き」とを分離させちゃう。 - 奈緒
- わかる! 私が好きな人が私のこと好きになってくれるなんて、絶対無理だと根底では思ってた。
私って自信のなさから受身なんだけど、だから男からセックス誘われても自信がないだけに拒むことも出来ず、それに応じるって形で。
それでも向こうは「遊んでる女だ」と思うみたいなんだよね。いっつも部屋に男連れ込んで、パクパクパクパク食いまくってるんだろ? って。 - 絵美
- 私は、そう思われたかった。間違っても重たい存在にはなりたくなかったんだよね。
- 奈緒
- 私は、そう思われたくないほうだったから、心外でw
でも、何度も言うけど、ほんっとーに自信がなかったから、男が遊びでなくセックスしてくださるとはどうしても思えなくって。だから、なけなしのプライドで「どうせ私とは遊びなんでしょ、私もよ」って態度とってたんだよね。
でも結局はバリバリ重い女だから、「うえーん、1度セックスしたからには、つきあってくれなくちゃ駄目だよーう!」って枕を涙で濡らす日々(笑)。別に自分は好きじゃないくせに。 - 絵美
- へー。私は逆だ。そのへんは。
- 奈緒
- 常に最初の彼氏の代替品を求めてたの。いきなりセックスして、それでもラブラブでいられた彼氏の再来を願ってた。だからとりあえずセックスして、相手が好きになってくれるのを期待してた。
- 絵美
- それは、でも、自分の気持ちを置き去りにしているからありえないよね。
- 奈緒 そうそうw
- でもね、最初の彼氏も別にはじめは好きじゃなくって、つきあうことになってから、めちゃくちゃ惚れたので、そういうもんなのかな、と。
- 絵美
- それは、席替えで隣の席になった男の子のことを好きになっちゃうのと近い心理だったんじゃないかと思うけど、そういうわけではなかったのかな。 まあ、でも、席替え心理は、たしかに誰が相手であっても有効だから、自分の気持ち置き去りでも再来もありえたわけね。
- 奈緒
- うん。でも彼については未だに今までの人生で一番好きだったと断言できるくらい。その分、別れたのが滅茶苦茶辛くて。しかも別れた後に私の友達とソッコーつきあってやがったから、見返してやりたかったのね。だから焦ってた。
- 絵美
- くー! 見返す! その心理! わかるー!
- 奈緒
- とりあえずセックスして、次の男見つけないと! って(笑)。
- 絵美
- まずセックスありきってところが(w
- 奈緒
- いたああああああいw
- 絵美
- でも私もおおおお。
- 奈緒
- まあ、でも、ゆーても私、8人だし。なんちゅうか、根が臆病だから、突き抜けきれなかったんだよねw
- 絵美
- 私は9人。
私の場合は、自分が愛されるわけない、が前提だったから愛されたいと思ってるとは思われたくないっつうのがあって。
でも、相手の男は私と本気で付き合いたかったっていうのが多くて。
セックスして、「あーやっちゃったにゃー」って目がさめて、やれやれ、でも、ま、キープ! って思ってたら部屋の合鍵渡されて「ぼく、幸せだなー」とか言われて、「えー!」。 - 奈緒
- でも、相手の男は私と本気で付き合いたかったっていうのが多くて
にくうううううういにくうううううううううううううううううううううい。 - 絵美
- いや、でも、「本気で付き合いたいって、何が本気なの?」「あ、まさか、愛とかいうもの信じてる?」とか思ってた。恋愛感情そのものを信じてなかったからねー。
- 奈緒
- 方向性が逆だね。私は愛が欲しくてセックス。
- 絵美
- 愛がないことを実証したくてセックス。でも、まあ、そんなわきゃーないわけじゃない。本当は愛を求めていたわけじゃない。
- 奈緒
- 乙女だしね!
- 絵美
- そうそう。このへんは家庭環境とか絡んできちゃうとこだと思うんだけど。
セックスと、観念的な愛を分離させたくてしょうがなかったけど、ほんとは、ほんっとーは、「それでもそんなキミが好き! 俺が愛ってものを見せてやる!」みたいな男を待ってたんだろうなーと。 - 奈緒
- 私も家庭環境絡むんだけど、私、母親と異常なほどに依存しあってて。
で、ようやく最初の彼氏で他人と思い思われを経験して、母親以外の人間が私を認めてくれることがあるんだ! って。 - 絵美
- いいなー。私を認めてくれる、これ、重要。
なんでかね、自分には微塵も価値がないって思い込んでたよ。でも、そんなことないって言ってもらいたかった。でも、言ってもらいたい、と見抜かれたくはなかった。 - 奈緒
- 「そのままの君でいいんだよ」ですよね!
- 絵美
- そうそう! で、認めてくれる男がでてきた!
- 奈緒
- わお!
- 絵美
- 「君がどこでなにをしていても、僕は君の本質を愛する!」とか、真顔で言う!
- 奈緒
- きもい!(ごめん
- 絵美
- うん。言われてみたら、きもかったの。
愛されてるーっつうのは痛いくらい感じるんだけど。そして、愛されたかったんだな、って自覚していたからこの人ほどの人はもういないんじゃないか、とも思ってたんだけど。
セックスの相性も最高だったんだけど。婚約者がいたのを奪い去ったんだけど。 - 奈緒
- わー。
- 絵美
- どーにもこーにもキモかった。
- 奈緒
- 生理的に駄目?
- 絵美
- 「なんで私のこと愛するとかできるのかな、こんなクソみたいな私なのに」っていう自己嫌悪が激しすぎて。こんな自分を愛するとか言う男を信用できなかったのね。おめー価値観狂ってねー? みたいな。
- 奈緒
- あーわかるー。そのままの自分を自分で認めてないから「そのままの君でいいんだよ」も認められないんだよね。
- 絵美
- で、あー自分を愛さないと、人を愛せないとかいうスーパー基本に気付いた。
- 奈緒
- そうそう、私も気付いた!
- 絵美
- 初めて、心から思った。字面じゃなく。あーあの安っぽい言葉たちは真実だったかーと。
- 奈緒
- そうそう! ひゃひゃひゃ! 思い出すとわらける。
- 絵美
- いやあ、おそろしいよね! でも自分を愛すること無理ー。子供は自分の分身だから愛せるって意味わかんねー。自分の分身だったら殺すー。みたいな。で。今はそれらの問題は解決されていて。今の恋人のこと、ほんとに好きなのよね。あーすごい人だなあ、って心から思ってる。 わたしは、今の恋人で変わった! (今日一番恥ずかしいこの一文)
- 奈緒
- 私も旦那のこと好きだけど、馬鹿だから好きなの。
自分より明らかにあほの子だから「愛してる」が信じられる。私はクソだけど、こいつもっとクソだから、そりゃ私のこと愛するよって。最低ですね! - 絵美
- 逆だけど、結論は同じ。自分よりあきらかに優れているこの人が私を認めるなら、私も認めようじゃないか!
私、人のこと恋愛ゲームとして手に入れたくはなっても、惚れることはなかったからねー。 (セックス絡みでは) - 奈緒
- 「自分を愛していない人間は、他人からの愛が受け取れない」という真理にたどり着いたのがね、私の場合、最初の彼氏に会う前だったのよ。 その後にまたアイデンティティ崩壊してるからw
- 絵美
- いたい。
- 奈緒
- すごく愛し合っていても、それは永遠じゃないって。
- 絵美
- 今、それきたら、死ぬ。
- 奈緒
- だから、今は旦那は私のこと彼なりに愛してて、それについては信じてるけど、彼が他の女の子を愛し出しても仕方ないって思ってる。
- 絵美
- あー。
- 奈緒
- 信じてるけど信じてない。だってみんな私から離れていったんだもん。
結局しなくちゃいけないのは、他人の力でアイデンティティを保つのをやめることだなって。愛っていう、あるのかないのかわからんものより、自分で自分をどうにかせにゃならんのだなって。 ま、今んとこできてないんだけど - 絵美
- うーん。私はそのへん、奈緒さんよりもそうとう幼いからなー。産まれ立てのヒヨコちゃんみたいなもんだから。いま、やっと、気付いたー! ってあたりだからね。
- 奈緒
- いや、これが正しいとも思ってないけど、私、本気で弱いから、そのくらい思ってないと生きていけない。旦那がどっか行ったら死にかねない。
- 絵美
- こわいね。想像するだにこわい。
- 奈緒
- 私、全然成長してないから、絶対元通りになる。セックスしまくって愛を得ようとする。またまずいことに、旦那とも初対面でセックスしてっからw
- 絵美
- 私もそうだな。今の彼と、まずやったもん。婚約者から奪った彼と付き合ってたけど、やった。まじーやれるのー? わーラッキーぐらいのイキオイで。
- 奈緒
- 私、もっと必死なんだよ。とりあえず同時進行無理。その時の相手に全力投球。それで重すぎてうざがられて捨てられるw
- 絵美
- こわくてできない。<全力投球。今してるけどね。このへんが幼さだー。
- 奈緒
- 駆け引きとかできねーの。だからもてない。ひいたらそれっきり会えなくなる気がする。
- 絵美
- 今できるかなー。わかんないな。知ってしまったら、できない気がするな。
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