●「本能ですから」
- 奈緒
- 若い女の子が奔放なセックスしつつ実は愛を望む図ってのは、昔からたくさんあるんだろうけど、それはアイデンティティとか生育歴とか、そういうのにかかわってきてるんだろうね。
- 絵美
- 遊んでる子のほうが、いろいろ考えてたりするよね。いろいろっつうのは、いわゆる文学的な、つうニュアンス。わー安っぽい表現。
- 奈緒
- そうそう、文学してんなーって思う(笑)。若い娘はどんどんそういう目にあえばいい(笑)。
- 絵美
- いま、たとえば、旦那以外に求められたら奈緒さんどうする?
- 奈緒
- 断るねえ。旦那泣いちゃうもの。
- 絵美
- 私はね、たぶんしちゃうんだよね。
- 奈緒
- うわーい!
- 絵美
- 押し切られたら、気持ちいいもん。という部分は、健在!
- 奈緒
- あ、私も自信はないよ(笑)。雰囲気に弱いから。
- 絵美
- 口説かれるって、気持ちいいじゃん。その誘惑には勝てないなー。
- 奈緒
- いい気になれて楽しい。
- 絵美
- そうそう、価値ある人間になれている気分。少なくとも、その場で、今、必要とされてはいる!という。やべーなにも成長してねー。
- 奈緒
- まあ、「いい気になれる自分を楽しんでいる」くらいに俯瞰して見られてる状態だったらいいんじゃないかなって思うけどね。無自覚だったときのことを思い出すと(笑)。
- 絵美
- 自覚しているのに止まらないつうのは、たち悪いようにも思えるけどね。
- 奈緒
- はっはっは!
- 絵美
- じゃあなにがストッパーになるんだ! っていう。
- 奈緒
- 岡崎の『ジオラマボーイ パノラマガール』でさ、「どうして私、今この人と手をつないでるんだろう」「それは気持ちいいからだわ」みたいな台詞あるやん。あれだよ。もう、気持ちいいんだから、しゃあない (笑)。
- 絵美
- だよねー。体温とか重さ(物理的な)とか。
- 奈緒
- 本能ですからね(笑)。
- 絵美
- な! (あれ?こんな結論?
- 奈緒
- 正当化して開き直っちゃいけないのかもしれないけど、人間にはそういうどうしようもない部分があるって知っておくのはいいのかもって思う。理性きかねー! っつう。
- 絵美
- でも、憧れるのは、こういうのを理解できないっつう真っ白い女なんだー!! え、わかんない。なんで好きでもない人とできるの?とか素で言える女。
- 奈緒
- 私ね、そういう女と話しても楽しくないから認めてないの(笑)。そういう女ってキャパ狭いんだもん。
- 絵美
- 狭いね。でも、憧れる。ああ、そういうふうに育ってみたかった、って思う。疑わないって、すごいことだよ。
- 奈緒
- 私は疑わないってのより、計算高さを感じてしまって。しっかりしてるなあ、こいつって。
- 絵美
- あーそういうんじゃなくて本心からわかんない人。
- 奈緒
- うん、それでもだめ。頭でセックスしてる感じしちゃう。
- 絵美
- そっか(w。
まあ、そういう女に恋愛とか語られると、わーって思うけどね。そんな真っ白いコちゃんに憧れるんだけど、じゃあ今の自分を後悔しているかって言われたら、全肯定っつうか、いろんな男と遊んで良かったなーと思っているので。 - 奈緒
- 好きじゃない男とセックスしたことないけど、でも自分にそういうことが起こってもおかしくないって思ってる人は好き。
- 絵美
- 私はだめかなー。やるよねー! って力いっぱい共感するか、ありえねー!って言うか両極端が好き。処女か、100人斬りか。人それぞれだとは思うけど、紆余曲折を経ていない人の恋愛って不安じゃないんだろうか、とか疑問に思ってしまう。
- 奈緒
- 私は自分の危うさを知ってる人が好きなんだと思う。 ありえねー! っていわれると、このやろ、私の男友達(鬼畜)にくどかせたろかいなってむかついちゃう(笑)。
- 絵美
- 私は怒られるの、好きなんだよね(w。父性求めてるから! 常に! 「なんですぐにやっちゃうの!」とか言われると、うれしい。
- 奈緒
- あ、それは好きかもw 大学4年のときに、ようやく簡単にセックスしなくなくなったんだけど、それは何人かの友達に「頼むからやめて」って言われたからだもの。 まあ、そうやって我慢してたら、結局たまりにたまっちゃって、旦那と会っていきなりセックスして、結婚に至っちゃってるわけなんだけど。
- 絵美
- ありえないって言う友達はいたけど止める友達はいなかった(w。「あの子はそういう子だから」みたいな。
- 奈緒
- でも、ペッティングまではしてたんだけどね!w
- 絵美
- よくペッティングだけで止まるよね。
- 奈緒
- すごく嫌がった。もうそういうのは懲りたって何度も言って。私も膣のまえに人間だから、尊重してって。
- 絵美
- 膣の前に人間。名言。 私は自分がだめだわ。ここまでしといて入れないだとー!! ってなる。
- 奈緒
- あ、でもね、不可抗力もあって。向こうがしてくれなかったのと、向こうがゲロゲロに酔っ払ってそれどころじゃなかったってのがある (笑)
- 絵美
- 私は下戸だから、お酒のいきおいってありえないんだよね。これはちょっと恐ろしい。常にしらふ。
- 奈緒
- 私も実はない。しらふのときにしか挿入には至らない。
- 絵美
- 言い訳きかないよねーしらふでやっちゃうと。
- 奈緒
- あのね、就職して会社の先輩に言ったの。酔っ払ってるときは最後までしないって。しらふだとしちゃうけどって。
- 絵美
- 言うなー!
- 奈緒
- そしたら「酔っ払ってるときって、その人の本音が出るから、きっと本心ではしたくないんだよ」って。「しらふでしちゃってるときのことを考えなくてもいいよ」って。
- 絵美
- まあ!
- 奈緒
- 名言でしょ?(笑)
- 絵美
- けだし名言である。
- 奈緒
- しらふのときは変な考えこねくりまわしてるから、かえってしちゃうんだよ、きっと。
- 絵美
- んー私は、したがられるのが好きだからしちゃうだけだけどね。
- 奈緒
- 「したがられるのが好きだから」でしょ? 「したいから」の前に。
- 絵美
- ああ、そう。
- 奈緒
- 下戸の絵美さんがもし酔っ払って、そのときに求められても、「だるいからしたくねーよ、ばーか」かもしんないじゃん(笑)
- 絵美
- そうか!その幻想は一生もっていけるな。すばらしい。
- 奈緒
- 本当に(笑)。
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