この楽園には、天使が住んでいる。
下界では「EDENだ」「アガルタだ」と崇め、讃えられてさえいるが、実情は完全に隔離された、生涯出ることさえ許されない、天使達のビニールハウスだ。無菌室、サナトリウムと呼んでも語弊は無いだろう。
この世界には何年かに一度、決まって「力」を持った子供が産まれるものだ。
過去に超能力、ESPと呼ばれたそれだ。そして、いつの時代においてもマイノリティ の迫害は避けられない。
「力」を持って産まれてしまった子供達は「神の奇跡だ」、「神の子だ」と表層上こそ賛美されるが、例外なく、強制的にこの楽園に送られる。
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未知の力に出会った時、人間は等しく畏怖する。
幼くしてコントロール出来ないその「力」を、災いを招くと、理不尽に忌み子に仕立て上げて。
挙句の果てに、人間はその行いをも正当化する為に、美しい楽園と、居もいない神様 まで用意した。
そして天使は見た事もない神様の為に、その一生を過ごすのだ。
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それこそがこの世界の宗教であり、全てだ。
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