この少女もそうだ
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僕は「天使」なんて口が裂けても呼ばないんだ!
彼女がそれを望まないから。
彼女は僕にいつでもその身を預けようとする、「あたしを解放して」と。
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それが心よりの愛なのか、恋なのか、錯覚なのか(状況が状況なので)、それとも誰
でも良いのか、僕にはどうしても真意が読めない。
でも重要な事が一点。
例外無く、天使が身体を汚す事は、死を意味する。
天使を堕りる事は、生まれ変わりに起因するからだ。
これだけは太古より避けられない特性であって、残酷な事実だ。
ロストヴァージン=ロストパラダイス
くそったれ。本当、趣味の悪い皮肉だ!神様って奴は、きっと娘を持った男に違いな
い、それも相当嫉妬深い、な。
「天使が汚れなき存在」なんて稚拙なメタファーのつもりか?
彼女は自分を守るし、境遇を恨みもする。こんな風に禁を犯そうともする、普通の人間の少女じゃないか。
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それでも。いや、それゆえに彼女は望む、例え命を引き換えにもここを出たいと。
「永久の天使の束縛」より、「一瞬の人間としての自由」を望む。
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