馬たち

ポートレートは古典的な写真の表現方法である。ただ、写真のセッションにおいて、被写体となる方と撮影者の関係性において、被写体は被写体であり、撮影者は撮影者であるという互いの役割設定において作品が発生する、というのではなく、一種の共犯関係の成果として一枚の写真が残せたらという思いでこのプロジェクトが発動した。つまりよく使われる「撮影」という言葉ではなく、音楽で使われる「セッション」という言葉で写真の撮影を行うこと、がこのシリーズの撮影に臨む際に気をつけて行うように心がけていることである。
共に楽しむこと。そうすることにより、ただの被り物の馬の頭に、その人なりの人格が生まれてくるように思えている。

Houses

This project is the sequel to an earlier series entitled: ”A Midsummer Night’s Dream”. Portraits are the classic mode of photographic expression, but this project sprang from a notion to create images from photography “sessions” that have an element of co-conspiracy to them rather than where the work emerges as the result of a static relationship between the subject and the photographer and the respective roles they play: the subject is the subject, the photographer the photographer. In other words, these photographs are the product of “sessions”, which is a music-oriented word, as opposed to “shoots”, and this is something I want to keep in my mind when I’m preparing to take pictures for this series: it should be fun for everyone involved. If it is, then whoever I photograph will be able to show something of themselves even if their face is covered by a horse’s head.

Houses Archives
このシリーズの特徴の一つはコミュニケーションを考えることにあった。記念写真や写真行為に触れた際に生まれるコミュニケーションの力こそが、写真の持つ最大の祝祭なのではないかとも考えた。そのため、多くの方に手伝っていただき、様々な場所で馬のかぶり物を被り、その場に生まれた物語を撮影していった。そのうちの一部をアーカイブ化する。
現在158枚