New Landcapes
新風景論
風景とはなにか。ランドスケープとは何かと考えていると、ノスタルジーや過剰にドラマチックに脚色された風景写真に回収されないように、ただ風景をまっすぐ正面から対峙することにたどり着いた。写真の機能として過去の時間に引き寄せられることがある。ただ、そうした個人的感情を排し、ただ光景をタブローとして見ることを意識して撮影すると、風景は違った様相で私の眼前で写真として時間を固定することができる。そうだ。ランドスケープはタブローとして世界の一部を切り取ったものとして考えたとき、特別な場所でなくてよい。世界で初めて撮影された写真のように、日常の空間、変哲もないただの風景から始まる。そこにはあらかじめ決められた物語もなにもない。ただ世界の様相の一部がそこにあるだけである。我々の意識はそうしたタブローの中に存在している。
New Landscapes
2010~