今年の夏はもう終わろうとしている。東京では長い雨の時期のまっただ中に今年の8/15は存在した。その時何を思っただろうか。この一年、内外の社会状況に「国家」や「歴史認識」やらを感じさせる事件が数多くあった。今年も恒例のようにテレビでは「終戦記念日特集」などと題する番組が流され、目にした方もいるだろう。
第一回の「特集」は「8/15、もしくは夏の恋」とした。
何故そのような題材を選んだかと言うのは、単に当初8月半ばに発行する予定が、編集の怠慢のため半月遅れたという情けない状況もあるし、どちらにも絞りきれない優柔不断の編集者の所為でもある。あまり二つのキーワードを並べるのは上手くない方法だ。
だが、この二つの言葉はある意味、日本の夏を象徴するキーワードでもあり、重たくも軽くも扱えるものだが、どうだろうか? 日本の夏を描く場合の紋切り型のキーワードでもある。どうとでもとれる題材であるだろう。だからこそ、執筆者それぞれの違った題材の処理の仕方を楽しめるのではないだろうか、とも思う。編集個人の政治的な意見としては、こういった政治的にもなりえる題材を恋という私的な題材と同じ視線で見てみたいということ。それはある意味クリティカルな方法なのだと、言葉を濁して逃げをうつのだが、本当のところは、単に適当だったというわけだ。
まあ、それを各人がどう料理してくれたのか楽しんで頂けたら幸いである。
今回は初回ともあって、題材の提示方法にいささか不慣れなこともあり、また全くの説明不足だったが、それでもこのように多彩な文章を各人より頂いた。
感謝してもしきれない。
(幾人かにはこちらから題材を提示させて頂いたことをご了承ください:編集注)
へたれコラージュに素材使用させていただきました。 「だいすきらんどっ」「CoCo*」他、戦時資料より
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